小さな子は時々、周りにいる誰かに向けて喋っていないような独り言を言うことがある。
(例:レゴブロックで遊んでいる子が, 周りにいる人を見ずに, ブロックを見ながら, 「どうやったらもっとじょうずに作れるのかなあ」と言う時。など)
ピアジェはそのような独り言を自己中心的言語と呼んだ。
(発言してはいるものの, 周囲の人を考慮に入れて発言したわけではなく, 自分の中で完結する発言なので)
そしてそのような自己中心的言語は社会性が発達していないために生じる, 未熟な言語であると考えた。
そのため、社会性が発達していくにつれて自己中心的言語は消失するとされた。
一方で, ヴィゴツキーは言語を元々社会的な側面を持っている外言であると考えた。
また、私たちが普段行っているような, 考えるための道具として発言することなく心の中で用いられる言語のことを内言と呼んだ。
例えば、相手との会話で用いているのは外言、「明日買い物に行かなきゃな~」などと心の中でつぶやく際に用いているのは内言である。
簡単に言うと、声に出して自分の「外」に発する言葉が外言、声に出さずに自分の「内」にとどめておくのが内言である。
さらにヴィゴツキーは、思考のために用いられる言語がこの外言から内言へと変化する過程の状態が自己中心的言語だと考え、内言が獲得されれば自己中心的言語は自然になくなると考えた。
ちなみに、3~4歳児はこの内言をうまく使うことができずに考える際に言葉を発してしまうことがあるが、4歳以降になると徐々に内言をうまく使い、言葉を心の中で用いて思考の補助が可能になる。
関連キーワード
・ピアジェ
・自己中心的言語
・外言
・内言