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【キーワード】統合失調症【臨床心理学】

 

概要

統合失調症は内因性の精神疾患である。

2002年に名称が変更になる以前は「精神分裂病」と呼ばれていた。

また、DSM-5では「統合失調症スペクトラム障害」に分類されている。

はっきりとした原因はわかっていないが、先天的に持っている素因(遺伝的要因)に後天的な要因(環境的要因)が組み合わさって発症するものと考えられている。

 

症状

統合失調症の症状には大きく分けて陽性症状と陰性症状の二つが存在している。

 

陽性症状は健常者には見られないような機能の歪みや過剰さを特徴としている。

妄想や幻覚などが主症状である。
発症直後の急性期によく見られる。

 

陰性症状は通常見られるような機能が低下するような症状を特徴とする。

意欲の低下や感情の平板化などが主症状である。
急性期後の慢性期によく見られる。

 

原因

原因はまだはっきりとは明らかになっていないが、ドーパミン仮説ストレス脆弱性モデルが考えられている。

 

その他にも、ベイトソンによって二重拘束説が唱えられた。
これは家族間のコミュニケーションによって統合失調症が発症するという理論である。

 

例えば母親が自分の子どもに対して「こっちにおいで」と話しかける。しかしそれを話す母親の態度が子どもに対して冷たいものであった場合、子どもはその矛盾したコミュニケーションに戸惑い、行動をとることができなくなってしまう。

 

このようなコミュニケーションのことを二重拘束ダブルバインド)と呼び、これが続けられた場合に統合失調症が生じると考えられた。

しかし、現在では二重拘束説は統合失調症の原因としては認められていない

 

援助方法
援助としては、急性期には入院や抗精神病薬を用いた薬物療法などによって安静に過ごすことが求められる。

慢性期には社会復帰を目指すためにソーシャルスキルレーニンなどを用いて訓練を行う。

また、再発を予防するために、家族への心理教育を行うことも重要な働きかけの一つだと言える。