短期記憶を説明する際に紹介したように、アトキンソンとシフリンの記憶の多段階貯蔵モデルでは、感覚貯蔵庫と短期貯蔵庫そして長期貯蔵庫の3つの貯蔵庫が記憶のモデルとして想定されています。
短期貯蔵庫にある短期記憶に対してリハーサルを行うことで記憶は長期貯蔵庫に移行されやすくなるということも以前に説明しました。
短期記憶についてまだご覧になっていない方は、以下の記事をご覧ください。
今回は長期記憶の特徴について説明します。
感覚記憶の保持時間が数秒、短期記憶の保持時間が15秒から30秒だったのに対して、
長期記憶は半永久的に保持されます。
また、長期記憶は言葉にして表現することが可能な宣言的記憶と、必ずしも言葉にして表現することができるわけではない非宣言的記憶に分けられます。
さらに、宣言的記憶は意味記憶と、エピソード記憶に分けることができます。
意味記憶は、言葉の意味や歴史についての知識など、一般的な知識についての記憶のことを指します。
一方で、エピソード記憶は、「いつ」「どこで」「誰と」といったような情報を含む個人の経験に関する出来事についての記憶のことです。
また、非宣言的記憶としては、手続き記憶が挙げられます。
これは、何かを行うときの手順などについての記憶のことであり、
例えば、自転車の乗り方や泳ぎ方、車の運転の仕方などの記憶が含まれています。