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【キーワード】保存の概念【発達心理学】

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保存の概念とは、

あるモノの見た目、外見が変わっても、そのモノの重さや数量は変化しない

ということを表すものである。

 

ピアジェの認知発達段階の第3段階である具体的操作期の子ども(7~11歳)は、

この保存の概念を理解することが可能である。

 

しかし、前操作期(2~7歳)の子どもは対象物の見かけによって思考が左右される直感的思考を特徴とするために、保存の概念を理解しているかどうかをテストする保存課題に正答することができない。

 

そのため、例えば「長さの長いビーカーに入った水を別の長さの短いビーカーに入れたら水の量はどうなるか」という問いに対して「水の量が少なくなった」と答えてしまう。

これは、「ビーカーの長さ」という見かけの情報に思考が左右されてしまったために生じると考えられている。


具体的操作期に入り、論理的な思考が可能になると保存の概念を獲得できる。

 

また、保存の概念を理解するためには、可逆性相補性同一性を理解できるようになるからであるとされている。

 

可逆性とは、「元に戻せば同じ物体である」ということを表し、

相補性は「物体のある側面(例えば長さ)が他のある側面(例えば幅)を補う」ということを、

そして同一性は「その物体から何かを取り除いたり付け加えたりしていないので同じである」ということを表している。

 

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ピアジェ

ピアジェの認知発達段階

・前操作期

・具体的操作期

・保存課題