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自己開示と自己呈示

みなさんこんにちは!

 

今回は社会心理学における基礎でもある、

自己開示と自己呈示について説明していきたいと思います!

 

【自己開示と自己呈示】

自己開示とは、自分自身に関する情報をできる限りありのまま相手に伝える行為のことです。

例えば、自分の出身地や好きなもの等のプロフィール的な情報はもちろん、自分の考えや感情などを伝えることも自己開示だと言えますね。

 

一方で自己呈示とは、自分に関する情報について、ある印象を持たせたいという意図や目的を持って相手に伝えることをいいます。

 

例えば、あなたが片思いをしている相手がいると想像してみてください。

できれば、その人に好きになってもらうために、できるだけ自分のいいところを見てもらおうとアピールしますよね?

そのように、自分の情報を意図的に選んで呈示する、これが自己呈示です。

 

要するに、自己開示と自己呈示の違いは、ただ見せるだけ(開示)なのか、それともある印象を持って欲しいがために意図的に選んで見せるのか(呈示)という点にあるのです。

 

②自己開示のトピック〜自己開示の返報性の原理〜

ところで、みなさんは学校や職場で新しい人間関係を作る時、どんな話題から入りますか?

きっと最初は天気やニュースなどの当たり障りのない話から始めて、仲良くなり始めてから徐々に出身地や年齢、趣味などの個人的な話をするようになるのではないかな、と思います。

このように、自己開示の情報の深さは、相手との関係の深さに比例するとされています。

 

また、自己開示の情報の深さについては、自己開示の返報性の原理という法則もあります。

 

これは、自分が自己開示をした情報の深さによって、相手も同じ程度の深さの情報を開示しようとする、という原理です。

 

この原理は、「返報性」、つまりお返しで説明されます。

みなさんも友達から誕生日にプレゼントをもらったら、同じくらいの物をお返ししようと思いませんか?

このように、人間には対人関係を維持する目的で、相手から何かをもらったらお返しをしなくてはいけない、という本能的な考え方が存在していると考えられており、自己開示にもそれが当てはまると考えられているのです。

 

これを応用すると、もしあなたが気になっている人から聞きたいことがあるなら、まずはあなたから、そのことについて自己開示してみると、相手も合わせて自己開示してくれるかも、しれませんね。

 

 

③自己呈示のトピック〜セルフモニタリング〜

セルフモニタリングとは、簡単に言うと自分がどれだけ意識して自己呈示を行なっているか、という概念で、シュナイダーによって開発されたセルフモニタリング尺度によって測定されます。

 

セルフモニタリング尺度は様々な要因で構成され、

"①自己呈示の適切さについての関心の強さ"

 

"②状況に適切な(感情表出のための)手がかりとして他者の行動を参照する程度"

 

"③自己呈示や感情表出を統制・変容する能力とその使用の程度"

 

"④状況の違いにともなって表出行動や自己呈示が変化する程度"

 

などが含まれます。

 

これらの要因に当てはまるほど、意図的に感情を表出させたり相手に印象づけようと行動したりする傾向があると考えられるのです。

 

対人関係を円滑にすすめるためには自己呈示も必要ですが、あくまでもほどほどに、が一番大切かもしれないですね。

 

いかがでしたか?

今回は自己開示と自己呈示の違いと、それぞれの基本的なトピックについて説明しました。

日常生活でも活かせる知識だと思うので、ぜひ、繰り返し読んで勉強していってくださいね!

 

参考図書

①スタンダード社会心理学(2012),湯川・吉田

②臨床心理学頻出キーワード&キーパーソン辞典(2014),心理学専門校ファイブアカデミー