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【キーワード】印象形成【社会心理学】

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印象形成とは、他者の特性や見た目などの観察者がわかっている限られた情報からその人物の全体的な印象を形成することである。

 

印象形成についてはこれまでに様々な実験がなされてきているが、とくに有名なものがアッシュによる実験である。

 

彼の実験では、印象形成に関する重要な2つのことが明らかになった。

 

①中心特性
ひとつ目に重要なことは個人が持つ様々な特性の中には個人の全体的な印象に大きな影響を与える「中心特性」と全体的な印象にさほど影響を与えない「周辺特性」が存在しているということである。

 

実験では、実験参加者に対してある人物の特性語が提示される。

その内容は、「知的な→器用な→勤勉な→あたたかい→決断力のある→実際的な→用心深い」という順番で提示された。

 

また別の群に対しては、先ほどの特性語の「あたたかい」が「つめたい」に置き換えられて提示された。

 

すると、前者と後者では形成される印象が大きく異なり、前者の参加者はそのような特性を持つ人物を肯定的に、後者の参加者は否定的に評価した。

 

この結果は、印象が形成される際には個人が持つ個々の特性を単に足し合わせたものではなく、全体として見たひとつのまとまりとして印象が形成されるということを明らかにした。

 

②提示順序効果
ふたつ目は提示順序効果である。

 

これは、その個人に関する特性などの情報が提示される順番によって最終的に形成される全体的な印象が異なるというものである。

 

アッシュの実験では「知的な、勤勉な、衝動的な、批判的な、頑固な、嫉妬深い」といった特性語を「知的な」から右へ順番に提示した場合と「嫉妬深い」から左へ順番に提示した場合では形成される印象が異なった。

 

前者ではポジティブな印象が形成され、後者ではネガティブな印象が形成された。
これは、最初に認識した特性語がその後の印象形成に大きな影響を与えたためであると考えられた。
そのため、これを初頭効果と呼ぶこともある。

 

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